パリ漫!ソレコマール

30歳超えて衝動的にフランスのパリに住み始めました。

16 パリで見る驚きの日本映画!

1年目の思い出 16

新年初めて見るのは小津安二郎のお早ようという映画で、パリのシネマテークフランセーズで見てきました。大人数の観客と見るこの映画は思ってた以上に素晴らしかったので漫画にしてみました。

シネマテークフランセーズ

パリの小津安二郎

 パリのBERCY駅にあるシネマテークフランセーズで新年はじめにやる映画が小津安二郎の映画、お早よう(フランス語タイトルがボンジュール)で、パリで迎える初めての年に日本映画が見られるなんて最高じゃないかということで、お昼の2時開始の30分前に着き、

 

「ボンジュール!ボンジュール、シルブプレ」とチケットを買って待ってると人が来るわ、来るわで、いつの間にか413席に人が埋まって、みんなが一斉にコソコソ話をしながら映画の開始を待ってました。

 

 この映画は2、3度、見たことあって、いい映画だなーという感想も持ってたんですが、感情を素直に口に出す413人の観客と見ると、そんな感想など微塵になって吹き飛んでいき、素直にスクリーン上で起こってる出来事に驚き、泣き、笑い、感動し、その都度、真ん中の列のほぼ真ん中の位置に座った僕の周り360度から聞こえる、各人、好き好きに漏れる声に自分の感情を当てはめ共感し合えました。

 

 こんなふうに映画を鑑賞した経験が今までなかったので、驚いたのと同時にすごい幸せな気分が常に続き、映画がこのままずっと続いて欲しいと、恍惚状態でよだれ垂らしながら思ってるうちに、突きつけられる「終」の文字とそのあとのブラボーと拍手にまさに「夢から覚めた」気分で絶望して映画館を出ました。三億円当たったのは夢だったのね。みたいな。

 

 それ以降、翌年の1月2日もこの場所で別の映画を見て、また別の日にここで同じ「お早よう」を見ましたがここまでの経験は得られず、あの年のあのタイミングでみた「お早よう」がいかに特別で異常だったのかを知りました。

 

 忘れられない夢みたいな映画体験です。